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操舵装置・方法

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大宮木遣り操舵方法雑感

昔から山車屋台の車輪は固定で、それだけだと真っ直ぐに進むか戻るしかできないので梃子棒などを使い向きを微調整していました。大きく曲がる。あるいは進行方向を逆転させる(Uターン)などは梃子棒での微調整では手間がかかりすぎます。そこで山車を持ち上げ車輪を浮かせて山車を回転させる方法がとられました。山車中心部に硬く丸みを帯びた小さな車輪を設置し、四方に勾配をつけた台に乗り上げ頂き部分のくぼみに嵌めます。バランスをとって4輪が浮いた状態で山車を回転させ、90度や180度といった大きな角度での向き変えを行いました。
同様にジャッキを使う方法が行われるようになりました。


令和4年に撮影した神田区の方向転換です。

方向変換の木製の道具が、山車中心下側のにある小さな車輪に向けて設置される。

木製道具に乗り上げ小さな車輪が頂部に乗りました。

山車後部に人が張り付いてバランスをとり、4輪を浮かせ向きを変え始める。

もう少しで右向き90度の方向転換が完了する。


通常運行では梃子棒による微調整主体で、大きく曲がるときには4輪を浮かせての方向転換の2本立てで行うことが多いようです。
新造される山車は大型化される傾向が多く、梃子棒の損耗も激しいようです。


昭和57年に復元された湧玉宮本の山車は舵取り用の操舵輪を採用しました。
操舵輪は後ろ二輪の間に有り、ジャッキで押し出して後ろの二輪を浮かせ長い棒を操作して舵を切ります。山車は比較的軽量で、内輪なので車輪間隔は狭く小回りが効きます。
操舵輪は最初鋳物製の車輪ひとつでしたが、荷重に耐えきれず破損したので現在では3輪に荷重を分散させ稼働しています。
180度方向転換し休まずそのまま進行することもできます。向きを変えたところで引綱を伸ばし引き手に委ねますが、山車周りについた者たちだけでも押して進めることができます。


木の花の山車後ろ側です。
操舵輪の感じは少し宮本に似ています。

木の花の梃子棒運搬リヤカー。最終日のためか前日より数が減ったようです。
大型山車の場合は梃子棒を大量消費するようで、梃子棒と木屑を掃き集めるホウキ、ちり取りが必須。

共同催事場で梃子棒を大量に手渡す咲花の青年。

咲花競り合い時の山車前。
操舵輪があるようですが、ハンドルが短く体勢的にも操作は苦しそうに見えます。
競り合いが終わって後退するときに、飛び降りてハンドル操作をしていました。

高嶺の操舵方は屋台前の前車輪の向きを変えるハンドルとブレーキかな?
ラックアンドピニオンとかいう歯車を使った機構だそうです。

大和の山車。
前輪がハンドル操作で左右に向きを変えるらしい。


次年度以降も調査記録に努めます。

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